妊娠中はパンパンに張っていた胸が、出産後にどんどんしぼんでしまった。
これは、ママさんたちからよく挙げられる悩みのひとつです。
そこで今回は、産後に胸がしぼむとはどのような形になるのか、そしてその原因と予防・復活方法について紹介します。
産後に胸がしぼむって本当?
「産後は胸がしぼむ」という声がよく聞かれますが、これは実際誰にでも起こることなのでしょうか。
また「しぼむ」というのは、胸がどういう状態になることを指すのか、詳しく解説します。
産後は胸がしぼむ人が大半
産後に胸がしぼむ可能性は十分あり、大半の人が実際に経験しています。
もちろん、さまざまなケアで出産前の胸のように復活させることは可能ですが、一旦しぼんでしまうのは防げません。
産後の胸の変化は、出産において女性が通らなければいけない道として認識しておきましょう。
見られる変化は下垂やサイズダウン
「胸がしぼむ」という表現がよく使われますが、実際にどうなるのかいまいち掴みにくいですよね。
この表現が指す主な変化を詳しく表すと、下垂(胸が垂れる)とサイズダウンです。
出産後はバストトップ(乳首の位置)が下がってしまい、老けた印象を持つ人もいるでしょう。
また「今まで使っていたブラの着け心地が悪くなった」という声も少なくありません。
このように、胸がしぼむとは年齢を重ねたときのように胸が垂れてくると考えると、想像しやすいです。
産後に胸がしぼむ原因
多くの女性が体験する「胸のしぼみ」ですが、その原因はどこにあるのでしょうか。
産後に起こる、女性の胸の変化について詳しく解説します。
女性ホルモンの影響
妊娠をすると、女性ホルモンが活性化し母乳の準備をはじめます。
これにより、胸がサイズアップしたり張りが出たりする人も多いでしょう。
出産後は女性ホルモンの活性化が自然と収まりますが、完全に元の形には戻りません。
胸の皮膚はたるみやすいため、風船を一度膨らませると、空気を抜いた後にシワが残ってしまうように下垂が出てしまうのです。
姿勢の悪化
授乳が始まると、姿勢が前かがみになることが多くなります。
この姿勢は、胸を支えるクーパー靭帯という組織に負担をかけてしまうのです。
クーパー靭帯は負荷により、伸びたり場合によっては断裂したりします。
そして一度伸びたまたは切れたクーパー靭帯は修復ができません。
そのため姿勢の悪化でクーパー靭帯が伸びると、胸のしぼみを作る原因となります。
乳腺機能の低下
出産により、女性ホルモンの活性化が収まると乳腺機能も徐々に低下します。
乳腺は、母乳を作る働きのある組織ですが、授乳は一生続くものではないため自然とその働きを落ち着かせていくのです。
結果、妊娠や出産・授乳によって発達していた乳腺が縮小し、胸のボリュームが失われて、しぼんでいくことに繋がります。
授乳中の刺激
授乳中は、母乳が生成されるために胸が張り、赤ちゃんが吸うことによって一時的にしぼみます。
これが頻繁に繰り返されることにより、皮膚も伸び縮みを繰り返し表面がたるんできてしまうのです。
母乳を出さないままでいると、炎症や痛みを起こす可能性があるため授乳中の胸の張り・しぼみはどうしても起こってしまいます。
産後の胸のしぼみを予防するバストケア
産後の胸しぼみを、予防することはできるのでしょうか。
ここでは、少しでもしぼみを軽減するための予防策をご紹介します。
ブラジャーの見直し
張りのある胸を維持するためには、ブラジャーのサイズが重要です。
妊娠前・妊娠中・出産後・卒乳後と、バストサイズは変化するためその都度サイズに合ったブラジャーへの見直しをおこないましょう。
また、ナイトブラの着用も効果的です。
寝ている間に起こる、胸の横流れを抑えて胸の形を矯正してくれます。
マッサージでバストケア
マッサージにより、バストの張りを保っておくこともしぼみの予防に繋がります。
張りに必要な、ヒアルロン酸やコラーゲンの含まれている「バストクリーム」という専用商品も発売されているので、取り入れながらバストマッサージをおこないましょう。
バストアップに必要な栄養素を摂る
体の組織は食事から補給されます。
そのため、胸の張りを改善するためにも、必要な栄養素を積極的に摂ることが効果的とされているのです。
バストアップ効果に良いと、一般的にいわれているのは「鶏肉・キャベツ・豆乳」になります。
その他にも、海藻類やアーモンドに含まれる「ボロン」、豆腐や味噌に含まれる「イソフラボン」、肉や卵に含まれる「タンパク質」を取り入れた食事を意識しましょう。
とくに「ボロン」「イソフラボン」は、女性ホルモンと似た働きをする栄養素のため、胸の張りを維持するのに有効な栄養素です。
産後にしぼんだ胸を復活させる方法はある?
しぼんでしまった胸を復活させる方法はあるのでしょうか。
ここでは、胸の張り・大きさを復活させるために効果的な方法を紹介します。
胸の筋トレ
乳房は、大胸筋の上に乗っています。
そのため、大胸筋を鍛えれば乳房が持ち上げられバストアップに効果的なのです。
また、バストを支えているクーパー靱帯は乳腺・皮膚と大胸筋を繋ぐことで形を整えています。
大胸筋がたるめば、クーパー靱帯の支えも弱くなり、胸のたるみに繋がるので、しっかりと鍛えておきましょう。
代表的な運動は、プッシュアップ(腕立て伏せ)やダンベルを使ったトレーニングです。
産院のホームページなどで、産後でも無理なくできる筋トレ方法が紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
胸の発育
乳腺や脂肪を発育させて、胸を大きくする方法です。
マッサージ・バストアップクリームの使用・サプリ・食べ物などさまざまなやり方があります。
体質やもともとの胸の形などが人それぞれのため、この方法が正解というものがなく、即効性が期待できない点はデメリット。
しかし、豊胸手術のように体へのダメージは少ないため、日々の生活にセルフケアを取り入れていくのが良いでしょう。
美容外科手術
美容外科で豊胸手術をおこなうのも、しぼんだ胸を改善する方法のひとつです。
豊胸手術は、胸を少しでも前の状態に近づけるだけではなく、理想の形を作り上げることも可能。
確実に効果がありますが、費用の面や体への影響が心配される方法でもあるため、慎重な検討が必要です。
また、豊胸手術にはさまざまな種類があるため、その中でも代表的なものを紹介します。
シリコンバッグ挿入
シリコンバッグ挿入は、脇の下をメスで切開してシリコン製バッグを胸に挿入する方法です。
すぐに2カップ以上大きくできるのがメリットですが、形や手触りが不自然になりがちなデメリットも。
また、10年に1度は入れ替え手術が必要なため、お財布にも体にも負担がかかります。
また、ダウンタイムが長いため、産後の育児が忙しい時期の手術はおすすめできません。
脂肪注入
余分な皮下脂肪のある部位から脂肪を採取して、バストへ移植する方法です。
天然の脂肪を使用するため、形や手触りが自然なのがメリット。
しかし、一度に大量の脂肪を注入するとしこりができる恐れがあります。
また、やせ型の人はあまり脂肪が採取できず、十分なバストアップに至らない可能性も。
術後は長いダウンタイムがあるため、育児が忙しい時期の手術はおすすめできません。
ヒアルロン酸注入
注射で、胸にヒアルロン酸を直接注入する方法です。
大きな手術が必要なく手軽で、ダウンタイムもほぼありません。
しかし、手触りは固くなりがちで効果が長続きしないというデメリットがあります。
またヒアルロン酸は、早ければ半年ほどで体に吸収されるため、バストを保つためには何度も施術を受ける必要も。
何度も繰り返しているうちに、しこりができるリスクもあります。
将来再び出産することを考えている方は、慎重に検討しましょう。
成長再生豊胸
バストに成長因子を注射する方法です。
成長因子は細胞の増殖を促進する働きを持つ物質で、思春期に生成が豊富になります。
この成長因子と女性ホルモンの働きを組み合わせ、乳腺や脂肪の発達をうながし、張りを取り戻すのです。
成長再生豊胸は、ダウンタイムがほぼなく体へのダメージも少ないので、卒乳後数か月後には受けることが可能。
しかし、胸を自然に発育させる方法のため、効果が充分に出るまで時間がかかるデメリットがあります。
バストタイト
高周波を照射して、クーパー靭帯や皮膚を引き締める方法です。
バストに長い針状の電極を差し込むため、おこなった箇所には腫れが生じます。
しかし腫れや内出血は1か月程で消失し、痛みも痛み止めの薬で対応できる程度。
針の後も、自然と肌に馴染むため手術跡が残らないのも魅力です。
術後3日程は、激しい運動や入浴(シャワーは可)を避ける必要がありますが、日常生活に大きな影響はないため、育児の合間にも問題なく受けられます。
【まとめ】産後の胸はしぼむもの!適切なバストケアを取り入れ、以前の胸に近づけよう
産後の胸しぼみ・サイズダウンは誰にでも起こってしまうものです。
一度起きてしまった胸のしぼみは、元に戻すのがなかなか難しいですが、バストケアや食生活でも改善の可能性があります。
また、美容外科手術という選択肢もありますが、体や日常生活、費用の負担を考えながら検討してください。
自分にあった適切なケアで、胸のしぼみを改善していきましょう。