「オナニーをしたらニキビが増えた」「オナニーをやめたら肌荒れが治った」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。
このような話から、オナニーが原因でできたとされるニキビを「おなニキビ」と呼ぶこともあります。
しかし、本当にオナニーとニキビには直接的な因果関係があるのでしょうか?
この記事では、オナニーとニキビの関係性について徹底解説します。
オナニーするとニキビが増えるって本当?おなニキビの真偽
オナニーが原因でできたとされるニキビは「おなニキビ」と呼ばれることがあります。
しかし、本当にオナニーとニキビには因果関係があるのでしょうか。
まずは、その真偽のほどを見ていきましょう。
オナニーはニキビに直結しない!ニキビができる主な原因
結論からいうと、オナニー自体がニキビを直接的に引き起こすことはありません。
しかし、全く関係がないというわけでもないのです。
ニキビができる主な原因の一つに、皮脂が過剰に分泌されて毛穴が詰まることが挙げられます。
男性がオナニーを行うと、男性ホルモンであるテストステロンの分泌が促されます。
不健康な状態のときにテストステロンが増えると皮脂の分泌量も増えるので、結果的に皮脂腺が詰まりやすくなり、ニキビができることがあるのです。
しかし、ニキビの原因は生活習慣、ストレス、女性の場合は生理など多岐にわたります。
そのため、ニキビの直接的な原因がオナニーにあるとは言い切れないのです。
「オナ禁でニキビや肌荒れが治る」は嘘
「オナニーを止めればニキビが治る」「オナ禁で肌がきれいになる」という話もよく聞かれますが、これにも科学的な根拠は一切ありません。
むしろ、オナ禁によってストレスが溜まり、ホルモンバランスが乱れることでニキビが増える可能性すらあるのです。
そのため、ニキビを治すために、わざわざオナニーをやめる必要はないといえるでしょう。
おなニキビの発生につながりやすいオナニー後の体の変化

オナニーそのものが、ニキビの直接的な原因になることはありません。
しかし、オナニーが間接的に関連して、おなニキビが発生しやすい状況を生み出す場合はあるのです。
ここでは、おなニキビの発生につながりやすいオナニー後の体の変化について解説します。
男性は男性ホルモンの影響で皮脂が増える
前述した通り、男性はオナニーによる男性ホルモンの影響によって皮脂が増え、ニキビにつながることがあります。
本来、自慰行為によって分泌されるテストステロンは、筋肉や性機能を高めるために重要な「善玉」の男性ホルモンだといえます。
しかし、このテストステロンが特定の酵素と結びつくことで、「ジヒドロテストステロン」という「悪玉」の男性ホルモンに変化することがあります。
この悪玉ホルモンを生み出す酵素を増やす原因になるのが、乱れた生活習慣や睡眠不足、過度な飲酒、喫煙などだといわれています。
そのため、生活習慣が乱れていたり、疲れが溜まっていたりする状態でオナニーを行うと、皮脂が増えて毛穴詰まりにつながる可能性があるのです。
寝る直前にオナニーすると睡眠の質が低下する
オナニーには興奮作用があるので、寝る直前に行うと一時的に交感神経が優位になり、入眠の妨げになることがあります。
睡眠不足や睡眠の質の低下は、ホルモンバランスの乱れや肌のターンオーバーの乱れにつながります。
その結果、ニキビや肌荒れの原因になることがあるのです。
つまり、オナニーが原因でおなニキビができるのではなく、「寝る直前のオナニーが睡眠の質を下げ、おなニキビの原因になる場合がある」ということがいえるでしょう。
男性はオナニーによって亜鉛が消費される
亜鉛は、肌のターンオーバーを正常に保つ上で非常に重要な栄養素です。
男性は射精時に亜鉛を消費するといわれています。
そのため、オナニーによって亜鉛が不足すると肌の健康に悪影響を及ぼし、結果的におなニキビができやすくなる場合があります。
ただし、通常の頻度でのオナニーや健康的な食事を心がければ、亜鉛が不足することはないので過度に心配する必要はないでしょう。
おなニキビを増やさないためにオナニーで注意するポイント
オナニー自体がニキビの原因ではないとしても、「少しでもリスクを減らしたい」と考えるのは自然なことです。
最後に、おなニキビを増やさないために注意すべきポイントを紹介します。
【男女共通】
まずは、男女共通で気をつけるべきことを解説します。
オナニーした手で顔を触らない
オナニー後の手は、雑菌や汗、体液などが付着している場合があります。
その手で顔を触ったり頬杖をついたりすると、雑菌や汚れを肌に広げてしまい、おなニキビの発生につながる可能性があるのです。
また、うつ伏せでオナニーをする習慣がある人も注意が必要でしょう。
うつ伏せだと、ヘアオイルや皮脂が付着した枕に顔を押しつけることになってしまいます。
うつ伏せでオナニーをした後は、軽く洗顔することをおすすめします。
加えて、枕カバーを清潔に保つことも、肌荒れ解消への近道となるでしょう。
寝る直前はオナニーしないようにする
前述した通り、寝る直前のオナニーは睡眠の質を低下させてしまう可能性があります。
ニキビ予防のためには、良質な睡眠は不可欠です。
オナニーは就寝の1〜2時間前までに済ませて、クールダウンの時間を設けるようにしましょう。
また、暗い部屋でスマートフォンを長時間見ながらオナニーをすることも、自律神経の乱れにつながる原因となります。
自慰行為の後にそのまま眠りたい場合は、スマートフォンやパソコンなどのブルーライトを避ける方が望ましいでしょう。
【男性向け】
続いては、男性がとくに注意したいオナニー後のケアと生活習慣について解説します。
オナニー後に洗顔をする
オナニー後は皮脂の分泌が活発になるので、おなニキビの原因となる皮脂のつまりが起きやすくなります。
そのため、オナニーの後には、できるだけ洗顔をすることをおすすめします。
洗顔が難しい場合は、濡らしたタオルやウェットティッシュで顔を拭き取るだけでも効果的ですよ。
オナニーを2日に1回にする
オナニーの頻度が高いと、亜鉛の消費や生活リズムの乱れなどを引き起こし、結果的におなニキビができやすくなってしまいます。
オナニーは、目安として2日に1回程度に留めるようにしてください。
自身で無理のない適切な頻度に調整してみましょう。
普段から亜鉛を補給する
普段から亜鉛を補給することを心がければ、ニキビの発生を防ぎやすくなります。
亜鉛を多く含む食材には、牡蠣をはじめ、牛赤身肉、鶏肉、豚レバーなどの肉類、豆類、ナッツ類、乳製品、卵などがあります。
成人男性の亜鉛の摂取推奨量は一日11mgとされています。
通常の食事のみで過剰摂取になる心配はほとんどないので、亜鉛を含む食品を積極的に摂るように心がけましょう。
注意点を守ればおなニキビを気にする必要はない

オナニーはごく自然な行為であり、ニキビの直接的な原因になることもありません。
そのため、注意点を守れば、おなニキビを気にする必要はないといえます。
ニキビ予防の基本は、規則正しい生活、バランスの取れた食事、そして正しいスキンケアです。
本記事で紹介した注意点を守り、清潔さを保ち、健康的な生活を送れていれば、おなニキビを過度に心配する必要はないのです。
それでもニキビが改善しない場合は、生活習慣やスキンケアを見直すとともに、一度皮膚科医に相談することをおすすめします。